李京BADについて医学部の友人に話を聞いてみた


<注意書き>
この記事の内容は一医学生の見解であり、絶対にそうであるという保証はありません。
参考程度にご覧ください。
(掲載許可済)



また、当たり前ですがネタバレ含みます。







どうもじゃこです。



突然ですが、私には医学部に在籍している友人がいます。
そしてデ王を完走して(魔の)李京BADに脳みそを支配されていた私は突然思い付きました。


「そういや李京BADの手術って医者から見たら現実的にどうなんやろ………せや!友達に聞いてみよ」


思い付きが急すぎるけど我ながら名案では?

一応この考えに至るまでの細かい経緯を書くと、

私が把握していたロボトミー手術は、例えば暴力性のある人が、手術によって理性も感情も失うことである程度言うことを聞かせられるようになる、くらいのものだったんですよね。
李京BADみたいに他人に指示された通りに動くようにするというレベルのものではありません。
李京は腕のある優秀な外科医であるという設定があるとはいえ、あの手術は医学的に見て可能なのか?

という感じ。


もちろんライターさんが調べていないとは微塵も思っていませんが、実際に医療に携わっている人から話を聞いてみたい。


友人は私が腐女子なのを知っているのでこれほど取材しやすい人もいません。
思い立ったが吉日、早速連絡して聞いてみました。




「今やってるゲームで外科医のキャラがいるから医学生の意見を聞きたいんだけど、脳外科のあたりって分かる?」


友人「がんばる」



「おっしゃ~ありがとう」


医学生だからといってどの分野も分かるわけではありませんからね。
友人が優秀な学生で助かりました。


「脳を手術して他人の言うことをきかせることって出来るもん?ロボトミー手術みたいな感じで。ちなみに手術場所は手術室じゃなくて、麻酔は無し。」



質問が物騒すぎる。
さっき友人は腐女子なの知ってるし聞きやすいとか書きましたが、BLゲームだとかBADENDだとかの話はめんどくさかったので割愛。

そして友人、突然のこんな質問に対して特にツッコミを入れることもなく答えてくれました。
返信をまとめると以下の通りです。




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・ロボトミー手術的なアプローチで前頭葉が障害されて、自発性が低下することで言うことを聞く可能性はある。


・ただ前頭葉が損傷すると理性の抑制が効かなくなり自分勝手な行動を取る可能性があるので、どうなるかはやってみないと分からない。


・脳幹あたりが損傷すると植物状態みたいになってある意味言うことを聞く状態にはなるかもしれない。



・そんな所で手術したら感染ですぐ死にそう




・なんにせよ手術室外麻酔無しは鬼









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うん。
分かり切ってたけどやっぱ手術室外麻酔無しはやばいんじゃん!!!!!
シナリオを読んだ時は「麻酔無し!?いやいや絶対痛いて!!」くらいでしたが、医学生にまで鬼って言われて恐怖爆増しちゃったな………(泣
なんで麻酔しないんだっけと思ったら全身麻酔したらギター弾けなくなるからか…ぴぃ



それにしても医学生から前頭葉とか自発性というワードを聞いたら急に李京の手術が現実味を帯びてきてゾワッとしました。
やっぱりどこかファンタジーというか、空想の出来事みたいに思ってた部分があったんでしょうね。

しかも李京が言っていた通り本当にどうなるかはやってみないと分からないとは…
友人の返信を見てほんとにそうなんだ~!へぇ~~~~!!と衝撃を受けました。
思ってたより現実と乖離が無くて驚き。

ロボトミー手術のように脳を手術して言うことを聞かせる!までは普通に書けるかもしれないですが、やってみないと分からないという描写があるのはやはり調査されたのかな~と勝手に思うなど。



以上のように桐久を手術したところで本当にどうなるか分からなかったわけですが、結果的に桐久はギターを弾いたし、制御室の鍵は無事に開きました。
何もかもが李京に都合のいいように転がりすぎでは…??
土岐が桐久が無事に動くか調整する時間があるって言ってたので、そこで色々やったのかもしれんなぁ…



ちなみに手術自体に関して、やはり脳は他の臓器に比べ手術の難易度が高く、脳外科医の専門医試験もかなり難しいそうです。
脳外科の先生は他の科と比べてもエリートと呼ばれる存在だとか。

つまり久しぶりとか言いつつ手術を成功させる李京は外科医としてガチで優秀ってことですか???
いやこんなとこで腕の良さ発揮しなくていいのよ。
さすがA地区に留学してくるだけのことはあるな~じゃないのよ。
しかもこれで別に脳外科専門ってわけじゃないっておかしいやろ(キレ



その後の針金のような棒で意識が切り替わったり鼻血が出るトラウマシーンについては、

友人「頭開けて麻酔切って機能確認しながら手術するみたいなことはあるから、そんな感じかも?中々厳しい」

だそうです。
正直これは無理っぽいと踏んでいたんですが、あり得ないわけではないらしいのがこわい
この文章もこわい
無理であれ(願望



あと友人は「脳いじると再生しないからなぁ」と言っていました。
これ、一見すると当たり前じゃんって感じですが、

李京「元には戻せないよ。彼はずっとこのままだ。」

って台詞を見た瞬間、この言葉とリンクしてゾッとしました。
再生しないことを知ってるということは、手術した段階で桐久が元に戻らないのは分かってたし、本当に用が済んだら捨てる気だったんだな…って実感しました。
ただずっとこのままとか言いながら正気に戻るようにしたのは許さねーからな・・・・・・・
桐久を鍵を開けるための道具として利用した癖に、壊れたまま捨てるんじゃなくて自分の遊びを入れるのまじで”””外道”””って感じ



逆に個人的に救いだなと思ったのは感染ですぐ死にそうっていう所ですね。
すぐ死ぬといっても数時間はもつと思うのでギターを弾くのは阻止出来ないかもしれませんが、出来たらモブレが始まる前に死んでしまうことを祈るばかりです。

…いや、主人公が死ぬことを望まざるを得ないストーリーってなに???
まあもういっそ死んだ方がマシだからね、仕方ないね(鬱

なので、悲劇に終わりが見えなかったBADに比べたら感染症で死ぬという形でも終わりがあるだけマシかなって思いました。
もうね、李京BADを見終わったその時から「なぜ桐久がこんな目に遭わなきゃならんのや…」と思い詰めてたので助かった。意外な所で光が見えました。
まあ死に方違うだけでそれ以外地獄なことに変わりありませんが(白目

なお感染症で死ぬまでの時間には個人差があり、健康な若年者だと長く保つかもしれないけど脳神経系に感染すると中々厳しいとのことです。



また、手術中に記憶の混濁が起きていましたがその点については

友人「前頭葉をいじると注意力散漫になるから、うっかりしてたりぼーっとすることはあるかも。いわゆる記憶喪失みたいな感じにはならないと思う。」

とのことでした。
やはり海馬等をいじっている訳ではないので記憶に干渉する可能性は低そうです。



ついでに、「一次運動野を抑えてる。自立は出来ないから拘束は不要だよ。」についても聞いてみました。

一次運動野は右脳左脳の両方に存在しており、左を損傷したら右半身、右を損傷したら左半身が麻痺するそうです。左右が反転する理由は、回路が交差してるからだそうで。とても興味深いですね。

李京の言う抑えるっていうのがどういう行動のことを指しているのかは分かりませんが、ここに干渉することで自立できないようにすることは可能なのかもしれません。










はい、ということで友人からの情報は以上になります!
概ね現実もシナリオと変わらないという結果になりましたが、医学生から話を聞くことでリアリティが増したので聞けて良かったです。やはり専門の方からお話を聞けるって素晴らしい。

話を聞き終わってトークを見返してみたら、脳をいじることについて盛り上がる人間2人が出来上がっててカオスでした。なんだこの空間………。

あと今回友人に聞くにあたって李京BADを再履修したんですが、案の定また心の傷が深くなりました。
ぴぴぴ。




それでは皆さんまた次回!
そして回答してくれた友人に感謝!!!






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